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■いわさきちひろについて
いわさきちひろは子どもを生涯のテーマとして描き続けた画家でした。
モデルなしで10カ月と1歳のあかちゃんを描き分けたちひろは、その観察力とデッサン力を駆使して、子どものあらゆる姿を描き出しています。
「小さい子どもがきゅっとさわるでしょ、あの握力の強さはとてもうれしいですね。
あんなぽちゃぽちゃの手からあの強さが出てくるんですから。
そういう動きは、ただ観察してスケッチだけしていても描けない。
ターッと走ってきてパタッと飛びついてくるでしょ、あの感じなんてすてきです。」(いわさきちひろ)
ちひろの描く子どもたちは、母親として子育てをしながら、20年余りも子どものスケッチを積み重ねるなかで生まれてきました。
ちひろが描いた子どもは、絵の中でさまざまなことを感じ、考えている生きた子どもとして存在しているように見えます。
「子どものことを描いていると、自分の小さいときのことを自分で描いているという感じがします。」(いわさきちひろ)
絵の中の少女は、ちひろ自身だったのかもしれません。
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■ちひろ美術館について
ちひろ美術館(東京・安曇野)は、財団法人いわさきちひろ記念事業団によって運営されています。
いわさきちひろの没後、「いつでもちひろの絵に出会える場所を」という声が全国から寄せられました。ちひろの遺族から、作品とともに著作権や美術館建築のための土地の寄付を受け、1976年6月、いわさきちひろ記念事業団が設立されました。そして1977年9月に、ちひろが22年間絵を描き続けた自宅跡に、いわさきちひろ絵本美術館(現・ちひろ美術館)が誕生しました。
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